俺はCREATIVEが嫌いだ 〜副題〜サウンドカード考察(その1)
さて、前回ビデオカードでnVidia大嫌い発言で物議をかもした私Taikiですが、
ビデオカードネタは今度ということで今回はサウンドカードネタでござい。
そう、サウンドカードもビデオカードの状況と同様、猫も杓子もSoundBrasterLive!
ま、ゲームやDirectSoundとの親和性が高いから選ぶのも無理ないが、はっきし言ってPCIサウンド
カードの中では音質は悪いほうの部類になる。
1万円程度はたいて購入しても、実勢価格2980円のYMF744搭載バルクカードに音質が劣るのかが
不思議でならない。というか金返せ。
さらに言えば、同価格帯のPhillipsのRythmicEdgeに大きく水を空けられているというのもかなり疑問。
無論、ONKYOのSE−120PCIやPhillipsのAcousticEdgeに足元にも及ばないというわけであり、
SoundBraster64GOLDを作っていた頃の拘りはどこへ消えた?
と、声を大にして言いたい。
ま、所詮はコンピュータパーツメーカーだからと、言ってしまえば終わりな訳で、
音響機器メーカーであるONKYOやYAMAHA、Phillipsと比べるのがそもそも間違いなのかは定かでない。
が、しかし、それにしても酷い。
その1:まず、S/N比が悪い。
同価格帯PCIカードの中では最悪。かろうじて3000円クラスの安物バルクカードよりましな程度だが、安物
バルクカードでもYMF744カードに勝ててない。デジタルアウトで単体DACに突っ込んでもノイズが入る。
おかげで、全体的に音が硬いし、いまいち抜けも悪いようだ。
その2:ドンシャリ
オーディオ業界で一般的に使われる俗語であるが、低音域と高音域を極端に持ち上げた音質のことをこういう。
やはり、若者向けなのかドンシャリ気味である。
YMF744や724カードに一部見受けられるが、ここまでは酷くない。
たしかに、ぱっと聞いた感じは音質よさげに聞こえるが、実際は時間が経つにつれキツく感じてくる。
アナログ回路周りのチューニングがこうなのかと思えば、デジタルで単体DACに突っ込んでもドンシャリ。
チップ自体がこんな音色なのかどうか疑問に思うところではある。
その3:MIDIが貧弱
ま、これは比べるのがかわいそうなのだが、YMF724や744に搭載されているハードウェアXG音源はチップ
内臓MIDI音源最強で、やはり楽器メーカーの強みを感じる。
SoundBrasterのMIDIは聞ければ良いといったレベルで、質はやはりそれなり。
でも、高いお金払って買ったのにこのレベルでは問題ありなのでは?
MPUの質は良いので外付けでMIDI音源をつなぐときに問題が少ないのが唯一救いか?
と、色々言ってきたが、個人的にお勧めはLabwayのXWave6000Pro。
絶版機種なので新品は入手困難だが、中古は割に弾数が多いので比較的入手しやすいだろう。
実勢価格も2480円〜とかなり安く、お買い得だ。
が、なによりもYMF724搭載カードのなかでは完成度が高く、擬似5.1Ch出力ドーターも付いていて中々楽しい。
もちろん、アナログ出力・デジタル出力のS/N比や周波数特性も良好なほうなので音質的な不満は少ない。
パーツ類をみれば解るが、バッファアンプ部の電解コンデンサも普通のカードから比べると一回り大きく上のグレード
のものを使っているようで感心が持てる。
現行のXWave7000でも良いのだが、YMF744カードはどうもWin2000との相性が悪いのか、私の周りでは多少
トラブルが発生している。
安定性等を考えるとYMF724搭載カードがお勧め。
YAMAHAのWaveForce192も検討材料としてお勧めである。
絶対的なクォリティーを追求するならONKYOのSE−120PCI。
MIDIが貧弱な以外は死角なし。
アナログ回路周りも独自設計でしっかりしているし、高級オーディオ用パーツもふんだんに使っているため悩みどころが
無いのが良い。どうしてもMIDIの貧弱さが気になるのであれば、S−YXG100Plusなどの高品位ソフトシンセを
導入すれば解消できる。
しいて欠点を上げるとすれば、ドーターがあるのでPCIを2スロット分消費すること。
実勢価格が20000円とやや高めだがそれだけの価値があるカード。
多機能性でいけばPhillipsのAcousticEdge。
音質はSE−120PCIに若干劣るものの、TunderbirdAvengerの高性能さには目を見張る。
なにしろ、音質はSE−120PCIに搭載されているESSMaestroを大幅に越えており、DolbyDigital5.1Chデコードや
内臓DSPによるデジタルトーンコントロール・エフェクト等多彩である。
MIDIが貧弱なのをS−YXG50を同梱していて、カードのドライバと連携して動かすことができるので、YMF744並みの
高品位MIDIを楽しめるのも良く考えてある。
チップが優れていてもSE−120PCIに負けているのはアナログ回路周りの設計の差とパーツの差なので潜在能力的に
はAcousticEdgeの方が上であろう。
実勢価格は13000円〜15000円程度とややバラツキがあるが、お買い得感は高いカード。
まあ、そんなこんなでサウンドカードについて書いてみたが、最近流行りのUSBサウンドデバイスとそれを内蔵したスピーカについて
次回書いてみようと思う
※X-WAVE6000、7000のチップについて
このコラムではX-WAVE6000はYMF724、7000はYMF744となっていますが
現行のX-WAVE7000はYMF744ではなくCMI8730を使用しています。
おそらくLabwayでの型番管理が悪い言い方をすればいい加減なのかもしれません。
(もしくは公表無しのマイチェン)
今回のコラムに関しては、資料だけのレビューではなく実機を用いての試聴でしたので
最新の情報と食い違うところがありますのでご了承願います。
過去の遺産
LC575編
ビデオカード編